「母さん……、風呂にお湯入ってないけど……」 「あっ、あらごめんなさい!つい、うっかり」 急いで、風呂へ向かおうとする美佐子。 「もういいよ。オレ入れといたから。てかさ、もう出来てんじゃないの? あんまり煮込まなくてもいいからさ。早く食おうよ」 鍋の中を覗き込みに来た息子に慌てて返事をする。 「そ、そうね。じゃあ、ご飯にしましょ」