――― その日は、家の前で一人で遊んでいた。 父は仕事、母は幼い妹の世話で忙しく、暇を持て余した体は、自然と外に向かっていた。 家の中から聞こえてくる妹の泣き声を聞きながら、ボールをポンポン付いて遊ぶ。 遊び相手がいなくて退屈な時でも、こうしていれば僅かに気がまぎれた。 「こんにちは」 ふと、真上から影が差して顔を上げる。 「ここは車が来るから、一人で遊ぶにはちょっと危ないよ」 頭を撫でる温かい手と、優しくかけられた声。 見慣れない女性が、柔らかく微笑んでこちらを見つめていた。