「……とりあえず、落ち着くしかないな」
ユキちゃんは深呼吸をして自分の鞄の中を漁りはじめる。
「な、なにやってるの?」
「万が一の時に使えそうなもん、入ってないかなと思ってな」
なるほど、たしかに。
まさか遭難するなんて思っていなかったし、イノシシや熊の撃退具なんて持ってないけど、代わりになるものならあるかもしれない。
「僕の鞄のなか、お菓子しか入ってない〜」
「非常食になるから取っておけ、柚」
「俺は全部寮に送っちまったから、鞄すら持ってねぇよ」
「お前には最初から期待してない」
…………お母さんんんんんっ!
ユキちゃんと過ごせば過ごすほど保護者にしか見えなくなってくる。
自由奔放な柚くんはすでに懐いているようだし、破天荒な恭也もユキちゃんには頭があがらないらしい。
ひと癖もふた癖もあるメンバーたちを、ほどよい抱擁感で包みこんでくれるユキちゃんがいれば、ガーディアンは安泰かもしれない……。



