そんな足場の不安定な状態で、日向をおぶってここまできたあたし。
日向をこんなところで歩かせるわけには行かないので、それは仕方ないにしても……10キロほどの子どもを背中に抱えながらの登山は、かなり体力を消耗する。
正直なところ結構きつい。
……そんなこと情けなさすぎて、とてもみんなには言えないけど。
日向を一度地面に下ろして、あたしも隣にしゃがみこみながら、やっと息をついた。
「先生、なに考えてたんだろうね」
「むしろこれは、俺らの力を試す的なもんだったりしてな」
あたしのげんなりした呟きに、ユキちゃんが意味深な言葉を返してきた。
たしかにそれも考えられる。
なっちゃんはたぶん、平気でそういうことをする人だ。
みんなして頭を抱えながら今後の動向を考えていると、日向がぎゅうっと腰に抱き着いて「……カノカ」とあたしを呼んだ。
「うん?」
「……いまのとこ。もどちゃ、め」
今のところを戻るなって言いたいのかな?
「どうして?」
もうそれしかないか、と思っていたあたしたちは日向の言葉に顔を見合わせる。



