「もちろん部屋はわかれてるぞ」
「あ、当たり前だよっ!」
とはいえ。
いくら部屋が分かれてるといっても、一つ屋根の下……男女が一緒に暮らすなんて問題があり過ぎるのではないだろうか。
それはもはや、男子寮に迷い込んだかわいそうな女の子……いや、子羊だ。
思わぬ身の危険を感じて、思わずその場で後ずさる。
「で、寮の場所……」
「地図見ればわかんだろ」
心配するなっちゃんに、恭也はあくびを零しながら素っ気なく答えた。
どうやらあたしと同じ寮だということは、微塵の興味もないらしい。
女の子として見られてないのか。
……まあ、犬だもんね。
……別にいいんだけど。
「いや、まぁそうなんだがな。一年のマスター寮は少し入りくんだ場所にあってだな……」
え?
もごもごと小さくなっていく語尾に、あたしと柚くんはなんだろうね、と顔を見合わせた。
なっちゃんは何か考える様子を見せてから、ひとり納得したように頷き、なぜか意地悪そうな顔で笑った。
「ま、お前らなら行けばわかるだろ。頑張れよ」



