「見ての通り、この学園の北の敷地は特殊戦闘用の専用フィールドになってるんだ」


「特殊……戦闘? フィールド?」


「簡単に言えば、双方合意制の怠慢勝負を希望する生徒たちがスターをかけてバトルする場所だな」


「それってほかと何が違うんだ?」



たしかに。


恭也のもっともな指摘にあたしも同調を示すように頷いて見せる。


合意制であること以外にも、なにか特殊なことがあるのだろうか。



「……行ってみりゃわかるが、ここは高さ30メートルの外壁で囲まれていて、外界と完全に遮断されてるんだよ。中に入れんのは2名だけ。入ったあかつきには、勝負がつくまで外から入れないのはもちろん、中からも出られなくなる───厄介なところだ」


「2名だけ……ってことは、チームメイトの干渉すら出来なくなるってことか」



ユキちゃんが鋭く指摘する。



「ああ、その通り。チームメイトだけじゃないぞ。ここに入っちまえば、教師だろうがガーディアンだろうが口出しは出来なくなる」


「うへぇ、なんかやな感じだね〜」


「……過去には、これで命に関わるような大怪我を負った生徒もいるくらいだからな。俺は好きじゃない」



なっちゃんの顔が、辛そうに歪んだ。