「……恭ちゃんって誰だ。キモい。やめろ」
「え〜、ムリ。恭ちゃんってかわいいじゃん」
……このふたりは相性が良いのか悪いのか。
ふと目が合った神宮寺くんも同じことを考えていたのか、あたしの視線に気づいて苦笑しながら肩を竦めた。
「まあたしかに、ユキちゃんってちょっと恥ずかし……」
「だーめ。決定事項だから!」
やんわりと諭そうとした神宮寺くんだけど、まったく受け入れる様子のない柚くんは、どうやら〝ちゃん〟付けが好きらしい。
「ユキちゃん……」
つられてあたしがぽそりと呟くと、ユキちゃんはわずかに顔を引き攣らせた。
「じゃ、じゃあ俺は〝姫ちゃん〟って呼ぶことにするかな」
こんなことで敵対心を燃やさなくても……。
姫咲だから姫ちゃんなんだろうけど、これは苗字のうちに入らないの?
チラッと柚くんを見るもどうやらこれには文句がないらしく、うんうんと満足そうに頷いている。



