「まあ僕たちがこれから3年間一緒なのはすでに決定事項なんだし、仲良くしないとダメだよねぇ〜。……てことでまずは、みんなの呼び方決めよっか!」
「へ?」
天宮くんがポンッと口の中にチョコレートを2つ一気に放り込みながら、ニコニコと楽しそうに立ち上がる。
「まずルールとして、苗字は禁止!ね?」
そんなこと言われても……。
戸惑うあたしたちにをよそに、天宮くんはエンジェルスマイルを見せて得意げに腰に手を当てた。
「かたっくるしいのは、僕、キライなの」
「はぁ……」
「だから僕は、カノちゃん、恭ちゃん、ユキちゃん、それから日向っちって呼ぶねぇ。あ、律だけは律だけど」
なんで日向だけちゃん付けじゃないんだろう、というツッコミが喉元まで出かかったけれど、なんとか呑み込む。
強引ではあるけれど、天宮くん──もとい柚くんの底抜けた明るさが、剣呑としていた場の雰囲気を和らげたことは確かだったから。



