「俺にはちょっと……荷が重い」
なんでそんなに日向のこと怖がるわけ!?
教師のくせに! 担任のくせに!
いちばん年上なんだからしっかりしてよ!
まったくもって役に立たない先生を冷たい目で睨みつけ、ずり落ちてきた日向をよっこらせと抱え直す。
「日向、自己紹介しよ?」
ぶんぶんぶんっと首を振って拒否を示す日向に、あたしは安心させるように笑って見せた。
「大丈夫、あたしもいるから」
「……カノカ、いる?」
「いるよ、ほらこんなにぎゅーってしてるでしょ? だから泣かないの」
我ながら子どもの相手なんてまともにしたこともないのに、よくあやせているものだと感心する。
ところで日向っていくつなんだろう。
こんなに幼いのにマスターコースの生徒なんて、いったいどんな才能の持ち主なのか純粋に気になる。
そして日向が喋った……なんて相変わらずわけの分からないことを零している先生に、あたしはビシッと指を突きつけた。
「先生、代わりに日向の自己紹介してください。日向のこと知ってるんでしょ?」
「えっ、俺!?」
「日向、泣いてもいいんですか」
「〜っ、わかった、わかったからそんな怖い顔すんなって」
あたしの睥睨に気圧されて諦めたように大きくため息をついた先生は、持っていた資料を捲ってゆっくりと読み上げ始めた。



