「じゃあ最後! 姫咲と……日向もな」
「あ、はいっ」
名指しされ、慌てて返事をする。
今さら自己紹介する必要もない気がするけれど、まあ、ここは流れだ。
「日向」
立ち上がろうにも日向は頑なに動こうとせず、さらにぎゅっと抱き着いてくる。
……うぅ、可愛い。可愛すぎる。
可愛いけど、うーん、これは困った。
仕方なくふたたび日向を抱き上げながら立ち上がって、あたしはみんなに向かって小さく頭を下げた。
「姫咲花乃香、17歳です。えっと……これからよろしくお願いします……?」
こんなんで良いのだろうか。
「……よろしく、花乃香」
えっ……?
まさかの如月くんからいちばんに返事が来て驚いたあたしは、目をぱちくりさせながら息を吸い込む。
やっぱり如月くん、良い人だ……。
胸がジンと温かくなってきて少し照れながら微笑んだ。
「よ、よろしくね、如月くんっ」
「……律」
「え?」
「律でいい」
な、名前で呼べってこと?
無表情のままコテンと首を傾げた如月くんは、やっぱりなにを考えているのかわからない。
でもなにをしてもさまになるから、そのたびにドキッとさせられてしまう。



