「おいおいおい、嘘だろ……」
まだ言ってるよ、この人……。
「先生、日向がマスターコースの最後のひとりってことですよね?」
「え? あ、まぁ、そうなんだが……」
「ならはやくはじめましょう」
さっさと話を運ぶあたしに、先生はたじたじと頭を搔く。
みんなとは少し離れたひとりがけソファに腰を据えて、膝に日向を座らせた。
きっとみんなのところだと、さっきみたいになっちゃうよね。
……とくにあの霧谷くんは怖いし。
興味津々といったようにこちらに走ってこようとする天宮くんに、如月くんがすばやく反応した。
「柚、はしゃぐな」
首根っこを掴まれて動けなくなった天宮くんは、悲しそうな顔で「カノちゃーん」と子犬のような潤んだ瞳を向けてくる。
ちょっと気の毒だけど……ナイスだよ、如月くん。
「俺には状況が読み込めないんだが……とりあえず自己紹介からか」
これだけ色々あって、いまさら自己紹介っていうのもおかしな話だと思うけれど。
あたしのことはみんな知ってるみたいだし。



