そして、そんな絶景を背景にした室内でなにより目立っているのはソファの上から飛び出している……ウサギ耳。
なにあれ、と声をあげかけたその時、そのウサギ耳がピョコッと動いた。
「あっ、なっちゃんおかえり~っ」
快活な可愛らしい声とともにとんでもないスピードで飛んできたウサギ……耳のパーカーを着ている子に、あたしは目を疑った。
「カノちゃん? カノちゃんだ!」
ミルクティ色の明るい髪をふわふわと跳ねさせて、その子は飛んできた勢いそのままあたしに抱きついてきた。
あんまりびっくりして硬直する。
「ちょっ……!」
お、男の子だよね……!?
あたしよりも背は小さいし顔も声も女の子のように可愛らしいけど、パーカーの上に着ている制服は男子用のもの。
しかも、抱きつかれてみてわかった。
細くて華奢に見えるけど……意外にこの子、体がしっかりしてる。



