「この階段は使わないんですか?」
「使ってもいいが、最上階までは軽くビル十階分くらいあるぞ」
それは遠慮しておこうかな……。
螺旋階段の横に備えつけられたエレベーター。
10人は軽くいけるだろうそれに乗り込み、あたしはやっと肩の力を抜いてふぅ……と息を吐いた。
「……これ、どこに行くんだよ?」
霧谷くんが、相変わらず不機嫌そうな仏頂面で尋ねた。
そんな彼に先生は含み笑いを返して、ちょいちょいと上を指さす。
「最上階だ。もう着くぞ」
最上階……?
と、エレベーターの到着を知らせる鈴の音が響き、ゆっくりと扉が開いていく。
開けた視界に映ったそれを見た瞬間、あたしはパッと目を輝かせた。
「わあ! きれい……!」
そこに広がっていたのは、赤を基調としたおしゃれなアンティーク家具で統一された広いワンルーム。
全面窓ガラスで囲われているため、閉塞感がなく、外の景色をすべて見渡すことができる。
孤島ならではのオーシャンビュー。
まるで高級ホテルのVIPルームのよう。
360度どこを見ても果てしなく広がる青い海、某夢の国の高級ホテルのような外観をした校舎、予測するに2キロほど先にある遊園地の観覧車。



