「おいコラ恭也、挨拶ぐらいしやがれ」
「お前、キャラぶっ壊れてんぞ」
「俺は元々そんな温厚じゃないんだ。お前だって知ってるだろ。怒らせるなよ」
神宮寺氏、目が笑っておりません。
霧谷氏、顔が引き攣っております。
目の前で繰り広げられる見た目と会話のギャップにぽかんとしていると、霧谷恭也が不服そうに見下ろしてきた。
お、やっと素直に挨拶する気になった?と思うが否か、そいつはまたもや馬鹿にするようにはんっと鼻を鳴らして笑った。
「……よろしくな? 首席ちゃん?」
「っ〜〜〜!!」
ああもう、ほんっとにムカつく!!!
堪忍袋の緒が切れて、今度こそ選択1を繰り出そうとしたところで、神宮寺くんが「煽るなっ」と霧谷くんの頭へ思いっきりゲンコツを落とした。
容赦のない一撃に痛々しい音が響き渡り、恭也も頭をかかえてうずくまる。
仕方ない……今回は神宮寺くんの顔に免じて許すとしよう。
「はあ……」
学園生活はまだ始まってすらいないのに、すでに雲行きがあやしすぎる。
神宮寺くんはともかく、こんなヤンキーとはやっていける気がしない……。
雲ひとつないカラッとした青空を見上げ、あたしは深い深い溜息をついた。



