「哲平、ごめん。ちょっと話は中断させて」



身だしなみを整えながらそう言って、まだ地面に伸びたままの葛鬼を頼む。


退学処理はあたしの仕事だけど、それが執行されるまでに暴れられたらたまったもんじゃない。


とくに葛鬼の場合はいわくつきだし。


それでも文句ひとつ言わず了承してくれた哲平に感謝して、あたしはフィールドを後にする。


閉鎖された空間から解き放たれて、何となく清々しい気分だった。


とはいえ、のんびりしている時間もない。


あたしは指定された場所へと向かうべく、制服をひるがえしながら地面を蹴ったのだった。