哲平を選んだことは間違いじゃなかった。
でも、やっぱり分かってもらえるわけじゃない。
「……あたしはね、哲平。ただ逃げたいだけなんだよ」
ずっと誤魔化してきたけれど、ここまで来たらもう認めざるを得なくなってしまった。
あたしが、弱い人間だってことを。
自分の過去すら満足に乗り越えられていないのに、どうして学園でいちばんなんて立場にいるんだろう。
才能とか能力とか、そんな問題じゃないんだ。
言ってしまえば、これはメンタル面のもので。
あたしには〝心の強さ〟ってものが大きく欠けてしまっている。
力とか知識とかそんなものならどうにでもカバーは出来るけれど、これに関してはそうもいかない。
むしろ心が強くなければ、どんな才能も能力も存分に引き出されることはなくなってしまう。



