『まあ、お嬢が勝った時点でハンチングの野郎どもも連帯退学決定や。これで学園も安泰やな。これからこっちのガーディアンらに執行させる』
哲平の声に我に返る。
あたしはふう、と息を吐いて口元に小さく笑みを浮かべて見せた。
「さすが哲平。さては怒らせたら怖い人でしょ」
『はは、褒め言葉として受け取っておくわ。んま、俺は今回指示を出しただけやし報酬は負けたる』
まったく……調子の良い。
前に哲平は自分のことを平和主義者だと言っていたけれど、それも表面上でしかないことに気づいている人物はあたし以外にいるのだろうか。
まぁそもそも、この有栖川でマスターコースの生徒として生き残ってきただけの才能があるのは確かなわけだし、
哲平がソロ活というやり方でここで生きていくと決めたのなら、それはそれで良いのかもしれない。
こういうタイプなら、なおさら。
恨まれもしないし、比較的信用もされるけど、信頼はされない。
むしろそうだと見込んで今回の件を頼んだこちらとしては、哲平の仕事ぶりは期待通りだったけど。
「とりあえず、お疲れさま。ジャッジは頼んだからね」
『ジャッジもなにもなかったけどな。どう見てもお嬢の勝利やし、メインモニターが破壊されたせいで監視義務も中途半端やったわ』
「平気だよ。どんな結果になってたとしても、葛鬼が退学になるのは決まってたし……他ならぬあたしも、」
『まだそんなこと言ってるんか、あんた』
ピリッと切られるような声音で遮られて、あたしはキュッと唇を引き結ぶ。



