そのうえで今回、あたしがわざわざ葛鬼を選んでデュエルを申し込んだのはいくつか理由があってのことだった。
まず、いちばん厄介な葛鬼の気を引いておくため。
今朝の時点でほとんどの暗幕者は摘まめていたけれど、まだ確実ではなくて。
それを洗い出すには葛鬼に気づかれないように動く必要があったし、そのための能力としてマスターレベルの哲平の力がなくてはならなかったから、結局のところこの形がベストだったわけだ。
そしてふたつめ、あいつにガーディアンのみんなを関わらせるのが嫌だった。
あたしの過去をあることないこと暴いた葛鬼は、そのうちみんなの過去にも手を出す可能性があったから。
……あたしたちみたいな人間は、少なからず〝枷〟を背負って生きている。
触れられたくないこと。
見たくないこと。
聞きたくないこと。
隠してきたこと。
それは心にできたささくれであり、無理に剥こうとすれば血が出てしまう。
――みんなに傷ついてほしくない。
言ってしまえばそのひと言なのだけど。



