「吐き気はまだ続いてるか?」
「え、えっと……」
「分かった、いま吐き気止めを持ってくる。おい恭弥、姫ちゃんが少し落ち着いたらベットへ寝かせてやってくれ」
「お、おう」
「あぁそれから」
相変わらずテキパキと的確に動き出すユキちゃんは、足元でおろおろしていた日向の背中を押してをそっとあたしの方へ。
「遠いのに俺の部屋まで呼びにきた日向を褒めてやってくれ」
その言葉を合図にするように日向はそのまま恭弥を突き飛ばす勢いであたしに駆け寄って、ぎゅうっと抱きついてきた。
「ありがとね、日向」
「……カノカ、いなくなる」
震えるように涙声で落とされた言葉に、あたしはハッとした。
恭弥も驚いたように目を見開く。
「大丈夫だよ、いなくならないよ」
──でも、もし、あたしがいなくなったら。
この子はどうなるんだろうか。



