「こい」
そのまま引きずられるように自室のトイレへと舞い戻ったあたしは、ふたたびえずきを繰り返す。
吐くものもない中でのえずきは辛いだけ。
生理的に涙が滲んでくる。
恭弥はその間ずっと黙ったまま、あたしの背中をさすってくれていた。
少しして落ち着くと、あたしはその場に崩れ落ちる。
咄嗟に恭弥が支えてはくれたものの、もう体に力なんて入らなかった。
決意も早くも水の泡、数分前の状態に逆戻り。
「はぁ……はぁ……」
「焦るな。吐気が落ち着くまでここにいりゃあいい。ついててやるから」
「恭弥……ねぇ、なにかあった……?」
「は?」
「なんか、様子、おかしくない……?」
こんな時になに言ってんだって感じだけど。
それでも、恭弥の様子がおかしいのは明白で心配せずにはいられなかった。
戸惑ったような顔をする恭弥の頬に手を伸ばして、「どうしたの?」と尋ねる。



