「天下の女王、お姫様……なーんて、この学園では言われていても、それを作る実態がこれじゃあ、たかが知れてますよねぇ」
「……や、やだ……その話を、あたしに……しないで……っ」
「あー、弱い弱い。結局そんなものですかねぇ、痛めつけるにもやりがいがないじゃないですか、クイーンズジョーカー?」
……なんなんだろう、この、男は。
自分に近づいてくる男を呆然と見つめていたら、ぐいっと顎を掴まれ、強制的に上を向かされた。
「……言いましたよねぇ? ボクはこれでも〝ハンチングクラッカー〟って呼ばれてるんですよぉ。いくら離島とはいえ、たかが人ひとりの過去を暴くなんて朝飯前……しかも、これだけ派手な過去であればねぇ」
じつに楽しそうに口を動かす葛城は、「もっともっとありますよぉ?」ともともと細い目をさらに細めた。
「……知られたくないですよねぇ、あなたの大事なオナカマに。彼らが離れていくのは辛いですもんねぇ」
「っ……それ、は……」
「あぁ、言っておきますケド、〝潰す〟可能性があるのはあなただけじゃないですよ? ボクの手にかかれば、彼らだっていつでも潰せますしねぇ」
────あぁ、コイツは、
正真正銘の、悪魔だ。
あたしがなにを一番嫌がるか、どうしたら〝自分の思い通り〟になるかを全て分かっているのだ。



