なんの事だか分からずに眉間に皺を寄せると、葛城は「自分の過去って人に知られたくないですよねぇ」と意味深にほくそ笑んだ。
「……たとえば、父親が犯罪者、とか」
ガンッ!と後頭部を殴られたような衝撃が走り、あたしは目を見開く。
「あぁ、もしくは母親が自殺した、とか」
やめて、と自分の声とは到底思えない掠れるような息が喉から漏れる。
「あとはアレですかねぇ……〝弟〟の失踪……いや、誘拐?」
「っ……、やめてっ!!!」
はち切れんばかりの声で叫んでぐらつく体を必死に保ちながら、頭を抑えた。
ひどい頭痛がする。
思い出したくないものを、思い出してしまう。
走馬灯のように流れていく過去の記憶の欠片たちはひどく荒々しく、まるで割れたガラスの破片のように突き刺さって───
「痛……っ」
立っていられないほどの頭痛と吐き気に思わず膝をついて、その場に崩れ落ちる。



