上手く言葉に出来ないでいると、心底呆れたように結城が嘆息した。
「この際やから言わせてもらうわ。あんたら、ええ加減にお嬢の気持ち汲んでやらんと、そう遠くない未来で愛想尽かされるで」
「……あ? 黙って聞いてりゃ部外者のくせに好き勝手言ってんなよ。元はテメェのせいだろうが!」
すぐさま恭也が反発し、勢いのまま掴みかかりかけたけれど、雪が難しい表情を浮かべて左手で制す。
「恭也落ち着け」
「落ち着いてられっかよ!」
「それでも落ち着け! お前が騒ぐと色々ややこしくなるんだから」
雪の理性で抑えられた声が恭也を牽制する中、でもさぁ、と横から柚が不満そうな声をあげた。
「今のは、ちょっと僕もイラッとしたな〜。愛想尽かされる、とか言ってたけど、カノちゃんは僕たちに愛想尽かしたりなんかしないし? ねー、律?」
「……それは、」
同意を求められ、俺は答え淀んだ。
愛想を尽かすとか尽かされるとか、正直俺にはよく分からないから。
ただ、さっきの花乃香の悲しそうな表情が。
……どうも、胸に刺さって仕方がない。



