「哲平の言いたいことを8割理解したところで、もう対談は終わり。つい長話しちゃったけど、手合わせとかしないからね」
「えー俺は2割も理解されてないような気がすんのやけどな。むしろ誤解が8割───」
不満そうに拗ねた顔をする哲平を華麗にスルーして、あたしは彼の鼻先に契約書を突きつけた。
「いい? こっちの条件はクリアしたんだから、契約通りちゃんと任務はしてもらうわよ」
なにはともわれ、あたしの仕事は契約の条件を遂行すること。
惑わされてはいられない。
わかったわかった、と苦笑いで紙を受け取った哲平は、サイン欄に自分の名前を書いてこちらへ返した。
意外にも、それはお手本のように形の綺麗な美しい字で感心する。
……って、だからなんなのよ。
意識しすぎだし、あたし。
「あー、なんか調子出ない……やっぱ病み上がりだからかな」
ガーディアン以外の人間と、こんなふうに対等に話したのは久しぶりで。
しかも、ヒトメボレだとかなんとか言われたりして。
けれど、まともに恋愛をしてこなかったあたしが、『好き』という感情を理解出来るわけでもなく───。



