「ちょこまかと……!」



向こうも向こうでずいぶん楽しんでいるようだけど、こっちもそれなりな戦闘を繰り広げている。


身長180を超える男は、弾切れになったのか、あたしが一瞬目を離したすきに近くの2mほどの高さがある岩場に身を潜めた。


そんなことしたってムダなのに。


瞬時に間合いを詰め、ひと蹴りで岩場のてっぺんまで飛んだあたしは、影に隠れて呆気に取られたようにこちらを見上げる男を見下ろす。


眼鏡の奥に見える瞳孔がはっきりと見開かれていて、思わずクスッと笑ってしまいながら、銃を構えた。



「ガーディアン、舐めてた?」


「っ……!!」



あわてて逃げようとした男の地面を蹴る音と同時、勝負の決着をつける銃声があたりに三発──フィールドじゅうに響きわたった。