「なにシケた顔してんだよ」
「った!」
パコンと頭を小突かれて、あたしは「なにすんのよ!」と恭也を睨んだ。
けれど、視界がぶわんと滲んで、恭也の顔がうまく見えなくなる。
「……カノカ……?」
「あ、れ……」
なんであたし、泣いてるの……?
心配そうに頬を流れた涙を拭ってくれる日向。
一方で恭也が「んで泣くんだよ!」と慌てたように服の袖であたしの顔を雑巾がけのごとく拭うもんだから、
「いたっ、痛い、痛い痛い痛い!」
謎の涙もあっという間に引っ込む。
なんなんだ、こいつ!
足蹴りで恭也を突き飛ばし、日向を抱え直してユキちゃんへと向き直る。
「……えっと、あの、ありがとう」
素直になれ、って言ってくれてたんだよね。
こんなにも頼れる仲間が周りにいるのに、あたしがいつまで経ってもくだらないことに縛られているから。
はにかみながらお礼を言うと、ユキちゃんは「日向が無事で良かったな」と笑ってくれた。
それにしても、本当にお母さん節が抜けない人だな、ユキちゃんは。
「恭也も柚くんもありがとね!」
「僕は楽しかったからそれでいーよっ♪」
「ま、カリキュラム開始早々、ガーディアンがやられてたら話になんねーからな」
このふたりも……きっと一緒に戦ったら一番の名コンビになると思う。
目を瞑ってしまったからちゃんと見ることは出来なかったけれど、さっきの連携プレイは凄まじかった。



