◇
「あ、いた、みんな!」
「カノカ……!」
ひとつ上の階に、ユキちゃんたちはいた。
あたしの声にぱっと振り返った日向が、ユキちゃんを振り切ってこちらへ駆けてくる。
────その時だった。
「っ、日向! 危ない!」
ゴウッ! となにかが宙を切りさく音が聞こえ、豪速球で日向に向かって飛んでくるそれをあたしは視界に捉える。
「避けて────!」
あたしの声に驚いた日向は、足を止めて振り返ってしまった。
またたく間に、それと日向の距離が近づく。
考える前に飛び出したけれど、
だめ、間に合わない……!
「日向────!」
叫んで駆け寄るあたしの横を、一瞬だけ陰が走ったような気がした。
その刹那、
ガッシャーンッ!!
凄まじい轟音が辺りへとどろく。
空気の揺れるような衝撃に、あたしは反射的にぎゅっと目を瞑り、後方へ飛んだ。



