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「おいあれって……」
「そうよ、ガーディアンの皆様よ……!」
あたしと日向を先頭にして、6人並んで校舎内をまわりはじめると、瞬く間に生徒たちはざわめきはじめた。
けれども今のところ、予想をしていたほどの殺伐とした感じはない。
「まだどこも様子見……ってとこか」
ユキちゃんがぽつりと呟く。
たしかに見る限りでは、ほとんどの生徒たちは誰かしらと一緒に行動している。
「まあグループも作ったばっかだし、万が一の時に困るからな」
恭也はつまらん、とでも言いたげに鼻を鳴らしたけれど、あたし達が気を抜いていられたのは1年生の校舎だけだった。
特に何事もなく1年校舎を巡回し終え、2年の校舎へ足を踏み入れたその瞬間。
「くっそ、桂テメー! まじでムカつく野郎だな! はやくへたばれってんだよ!」
「君が弱いのが悪いのだよ。それよりも、ペンにはペンの、ごみ箱にはごみ箱の正当な使い道があるということを知らないのか? 規約違反ぎりぎりだという自覚を、今すぐその馬鹿な脳みそにぶちこみたまえ」
空気を切り裂くような怒号と、相対して冷淡な空気が同時に押し寄せてくる。
驚いたのか、日向はぴゃっとあたしの後ろに隠れた。



