「お前ら、PCは持ち歩いてるよな」
初日にもらった小型PCなら、いつも胸ポケットに忍ばせてある。
ここへ来る前はスマホを持ち歩いていたけれど、それの代わりみたいなものだ。
それぞれあたしたちが頷いたのを確認して、なっちゃんはホワイトボードにマーカーを滑らせる。
「主に、仕組みとしてはこうだ」
小型PCらしき絵と、先ほどもらったアンクレットがイコールで結ばれている図をさして、なっちゃんは腕を組んだ。
「これらは無線通信で繋がってる。つまり、データベースは常々同期しているわけなんだが──そうだな、例えば」
ピッとイコールを斜線で断ち切ったなっちゃんは、その下にバツ印を背負った棒人間を描きたして。
「無線通信はある一定の距離を離れると切れることになってる。それが切れた時、お前らのPCではある操作が出来なくなるんだ」
「……ある操作、ってのはつまり?」
聞き返しながら、ユキちゃんは眼鏡を左薬指で押し上げる。
「無論、規約違反を犯した奴にペナルティを取り付ける為の操作だよ」
ペナルティ、という言葉に、ずっと黙り込んでいた日向がびくりと肩を揺らした。
そしていつも以上にあたしにぎゅうっとくっついて、縋るような目で抱っこをせがんでくる。



