「……なんか、地味?」


「……花乃香、それ言ったらおしまいだ」



うぅっ……!


まさかの律くんにツッコまれて、グサッと胸がえぐられる。


で、ですよねー、と誤魔化すように笑って返しながら、気持ちよさそうに眠っている日向の頭を撫でる。



「まぁ今年のチーム性の追加で、戦闘に慣れてる2年3年の奴らがどう1年を潰しにくるかが問題か」



ユキちゃんがPCになにかをすばやく打ち込みながら、眼鏡の奥にのぞく三白眼ぎみの瞳を鋭く細めた。



「これまでの経験を含め、この戦闘性の特殊さからいってどう考えてもこっちが不利なのは間違いない。チームだろうがなんだろうが、実質相手に対抗できるかは慣れと才能、適応力が物を言うだろうしな」


「んなの本当の天才ならどうにかするだろ。それに2年3年のやつらは逆に仲間と力を合わせるってことに慣れてねえはずだ。そういう意味では、最初からそういう制度のもとで始められる今年の一年は有利じゃね?」



俺らには関係ねえけどな、と恭也は大袈裟に肩を竦めてみせる。


こんなことはいちばん面倒くさがりそうなのに、どうやら彼なりにちゃんとこれからのことを考えているらしい。


やっぱり意外に根は真面目だよね、恭也って。



「そもそもこの程度のルールで秩序維持なんて出来てんのか? 基本は喧嘩吹っかけた奴と、それを受けた奴の独自的な戦闘で勝敗が決まるってことだろ」


「まあそもそも授業専攻別に校舎もわかれてるし、大体は自分の得意分野での戦闘になるんだから、大丈夫じゃないの〜?」



恭也と柚くんのやり取りを聞きながらも、あたしは一向に首を捻るばかり。