「そしてこれは言わなくてもよく分かっているだろうが、うちは完全招待制だ。入学したくても入学出来るわけじゃない」
「あ、それ! なにを基準に選んでるんですか?」
ずっと気になっていたことだったので、思わず横から口を挟む。
しかし先生は「機密事項だ」の一言で即座に切り捨て、必要以上のことは喋らない……という意思表示なのかすぐに生徒たちに向き合ってしまった。
なんとなくむっとして「ケチ」と零すと、先生はしれっとした顔で肩を竦めてみせた。
「俺じゃなくて国に言ってくれ」
「言えたら苦労しないし……」
かねてより疑問を抱いていた有栖川学園の招待制度の答えがもらえず、ちょっぴり不機嫌なまま先生をジッと見つめる。
「……んな顔されても教えないぞ」
「わかってますよ」
そう、わかってるよ。
機密を教えたりしたら、先生の首が飛んじゃうんだよね。
……いや、それで済めばいいけれど、最悪の事態にだってなりかねない。
そもそもここは、大学入試なんて比にもならないほど入学するのが難しいのだ。
まず招待状が届かないと入学試験を受ける資格すらもらえないし、たとえ送られてきても、合格するのはほんのひとにぎり。



