ちなみに、あたしと日向の部屋は3階で残りの男子たちは2階。
いちおうメンバーゆいいつの女子としての配慮なのか、それとも日向の希望なのかは微妙なところだった。
まぁ、それはさておき、なにはともかく。
「……この乙女チックな部屋よね……」
あたしはどこかの国のお姫様かっ! と全力で突っ込みたくなる内装。
オフホワイトを基調としたヴィンテージ花柄の壁。
リビングルームにそろえられたテーブルやイス、チェスト、ソファはすべてヨーロッパ製のプリンセス系家具だ。
もちろん大理石製のダイニングキッチン、バス、トイレも完備。
寝室には、マスター棟で日向が寝ていたものと色違いのキングサイズの天蓋付きベッド。
ほかの二部屋は自由にコーディネートできるようにか、別口で送っていたあたしの荷物が綺麗に整えて置いてあった。
部屋の浴室のほかにも、1階には露天風呂付きの温泉があるらしいから、わざわざ部屋で入る必要もないんじゃ……? なんて思ったりもする。
お風呂洗う手間が省けるし。
ちなみにそう言った私室以外の全般的な設備については、一年マスター寮専属コンシェルジュ……もとい執事の櫻井さんが24時間住み込みで管理をしてくれるらしい。