「俺たちは敵じゃない」
……………………………………へ?
「住処を荒らしたのなら謝る。悪かった」
いやいやいやいやいや。
熊相手にごく自然と話しかけはじめた律くんに、あたしと恭也は思わず顔を見合わせた。
────おいおい、なんかコイツやばくね?
────い、いや、きっとなにか考えが……っ。
そんなアイコンタクトを交わしながら、あたしはちらりと後ろの3人を振り返る。
日向を抱いて、いつでも逃げられる様に構えているユキちゃん。
そしてさっきまであんなに怖がっていたのに、何故か平然とした顔で突っ立っている柚くん。
「え〜、なに、律って熊とも話せたの?」
「「は?」」
" 熊とも話せた "?
あっけらかんととんでもないことを言い放った柚くんの言葉に、あたしと恭也の素っ頓狂な声が重なった。
思わずふたりしてアホっぽい顔をしてしまうあたしたちに、柚くんは少しばかり誇らしげに律くんを指さした。



