すると律くんはそんな恭也を気にすることもなく、あろうことか自ら熊へと近づいていく。
「ちょっ……律くん……!?」
「おまっ……」
慌てて声をあげるあたしと恭也に、大丈夫だと視線を返して律くんはヒグマの前でぴたり立ち止まった。
「……ぐぁぁぅ」
低く唸るヒグマに、律くんは黙ったまま見下ろしてその場から動こうとしない。
「……恭也、恭也」
あたしは恭也の服を引いて、後ろへ下がらせる。
……律くん、キミにはきっとなにか考えがあってそうしてるんだよね?
マスターコースに入学出来るくらいだ。
律くんだって並の人間ではないはず。
あたしが熊を倒せると普通に思ったようにきっと律くんの中でも……。



