「……でも、日向は……」
今日一日、あたしとしか喋ってない。
人見知りだって先生は言っていたけれど、それだけじゃないなにか根本的な原因が日向にはあるような気がするのだ。
すると日向は大きな瞳を潤ませながらほんの少しの間をおいて、意を決したようにあたしからひょいっと飛び降りる。
「ひ、日向……!?」
どこ行くの、と声をあげようにも、ふたたび恭也に口をふさがれてしまう。
日向はタタタッと一直線にユキちゃんの元へと駆け寄ると、震える手を伸ばしてなんと『抱っこ』をせがんだ。
「えっ俺!?」
ユキちゃんは目を白黒させながら、日向を抱き上げる。
あ、あはは……いちばん優しそうなユキちゃんを選んだんだね。
日向の最後の抵抗に、恭也が「可愛くねぇ……」とぼそっと落とすのが聞こえてあやうく吹き出しそうになってしまった。
やだ、なんか面白い。
恭也、拒否されてるし。



