「……おい、チビスケ」
「………………」
「お前、俺の背中に乗れ」
えっ!?
それはどう考えたって無理でしょ!?
案の定日向は今にも泣きそうな顔でイヤイヤと首を左右に振り、離れまいと一層強く抱き着いてくる。
「……お前を抱いたままじゃ、コイツが逃げられねえだろうが。男なら大事なやつを守れるくらいの根性みせやがれ」
「っ……恭也……」
こんな状況で似合わないセリフを放った恭也に、なぜか心臓がぎゅうっと締めつけられる。
────……ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ。
いつもよりも心拍数が早い。
はたしてこれはこの危機的状況のせいなのか、律くんの優しさのせいなのか、
それとも、吊り橋効果ならぬ、恭也の意外な一面を見たせいなのか。



