あれから数日後。

今日は、夏休み3日目の登校日。

普段の授業よりも朝は遅いけど、休みの日なのに学校に行かなきゃいけないとか、やっぱり腑に落ちない。


「いってきまーす!」


ママに元気よくあいさつをして、家を出た。

あいさつはしたものの、あたしはすぐに歩き出さず、隣の家の前でじっと待つ。


「いってきます」

「はーい、いってらっしゃい。帰ったらお手伝いよろしくねーっ」


――ガチャッ、リンリーン。

ドアを開ける音と、ベルの音。

翼と翼ママのやり取りが聞こえて、あたしは笑った。


「おはよう、翼!」

「ああ」


付き合おうが、付き合うまいが、この素っ気ないあいさつを変える気はないらしい。