電車から降りると後ろから肩をつつかれた。
「おーはーよ」
「おはよう」
イヤホンを外して振り向く。マオは手をグーパーさせている。
昨日のメールから察するに、多分あたしを待っていたんだと思う。
あの後、ずぶ濡れで現れたあたしに「どこの悲劇のヒロイン?」と言ったマオ。
「あ、コンビニ寄る」
あたしの腕を取って学校に行く途中のコンビニに連れ込まれる。外気と変わらない中の気温。
いつの間にか肉まんがなくなっていた。
「米飯にするかパンにするか」
「おにぎり100円セールだって」
「よし、おにぎり決定」
躊躇いなく種類を気にせずに端から四個持ってレジへ向かう。