サヨナラも言わずに


……さすが親子とでも言っておこうか。



「黙れババア」


「はぁ!?事実だろうが!」


「事実だろうが、言っていいことと悪いことがあんだよ!」



俺が言えるような立場じゃねーけど!



「とにかく、それはダメだって里穂さんと話したばかりなんだ。だから、やめてくれ」



病室であることを思い出し、俺は落ち着いて母さんに言った。


すると、母さんはニヤッと笑った。



……嫌な予感しかしない。



「里穂さん、ねぇ……」



……やっぱり。



「……うるせぇ」


「ま、そんなどうでもいいことは置いといて。どうする?根気強くいく?」



自分から振ってきたくせに、ほったらかすのかよ。



まあ、いいけどさ。



「それが美琴にとって一番かな、って思ってます」



里穂さんはまっすぐな目で、母さんを見ている。



ホント、かっこいい。



「美琴にとっての一番、か……でもさ、寝続けておくのが一番とも言えないと思うよ」



なんで、決意を揺らがすようなことしか言わねぇかな、このババアは。