サヨナラも言わずに



【弥生side】



美琴が入学してきたときだ。


職員室では美琴についての説明がされた。



小学生のとき保健室登校になった生徒だから、しばらく保健室登校させてほしい、とね。


正直、納得いかなかった。


どこぞの甘えん坊だ、あたしはそんなヤツを受け入れたくない。



そう教頭に言ったんだ。



だが、ダメだった。


とりあえず、面倒を見てくれ。


ただそれの一点張り。



ふざけるなと思ったよ。


ほとんど人任せってことだからな。



でも、実際に美琴に会ってみると、あいつの目には光がなかった。


全てを拒絶するような目をしていた。



それで、甘えてるわけじゃないと感じたんだ。



それから美琴か気を許してくれるまでは、早かった。


どうやら、養護教諭とは仲良くしよう、と決めていたらしい。


それでいろいろ聞いたんだ。



なぜ保健室登校になったのか。


あたしは最初、それしか興味がなかった。



最初、美琴は警戒していたよ、あたしのことも。


だからだろうな。


たった一言。



「男の人が怖いから」