サヨナラも言わずに


その顔、ムカつく。



「しねぇから。沢田に嫌われるようなことはしたくねぇし」



とか、素直に答えてる俺はバカだと思う。



「もう嫌われてたりして?」



なんでそんなこと言うかなぁ!?


あながちっつーか、まったく間違ってねーから、地味に心に刺さるだろーが!



「もうとっとと行けよ!」



つい病院だと言うのに、大声を出してしまった。



だが、これくらい許せ。



「じゃ、すぐ戻るよ、青少年」



なにが青少年だ。


バカじゃねーの。



なんて文句言う前に、二人は病室から出ていった。



俺は沢田のベッドの横に座る。



眠り続ける彼女はまるで、眠り姫のように美しい。


キスでもしたら、目覚めるだろうか。



って、なに考えてんだ、俺。



引くっつーの……



それにしても、よくよく考えたら、今こいつと二人っきりなんだよな。



とりあえず……することねーじゃん。