サヨナラも言わずに


重たい足取りで教室に入ると、リーダー気取りの女を中心として、五、六人の女子が駆け寄ってきた。



「あのね、このクラスの担任変わったの!」



変わった……?


どういうことだよ、それ。



「黒瀬くんが停学になったと同時に、高野先生も停職になって、その間代わりの先生が一週間来て、その人がかっこよくって、高野よりそっちの先生のほうがいいって満場一致で、」



……よくしゃべるな、こいつ。


全然話が頭に入ってこねぇんだけど。



「つまり、どういうこと?」



俺はその女子の説明を遮って、声を低くして言った。


すると、いかにも真面目ってカンジの女子が出てきた。



「みんな高野先生より臨時教師のほうがよかったから、高野先生を精神的にいじめて追い出した」



なるほど。



お前ら、やるときにはやるじゃねーか。



「新任教師はいつから来んの?」


「今日よ」



まさかの今日。



ま、沢田のことちゃんと大事にしてくれる先生なら、誰でもいい。



「はーい、席についてくださーい」