サヨナラも言わずに


あーあー。


イケメンなんかといるから、こんな嫌な気持ちになるんだ。


やっぱ黒瀬なんかと来るんじゃなかった。



「違います。俺の彼女です」



あわわ……


思考回路止まりそう……



「そ、そうなんですか……それで、どのような髪型にされますか?」



一瞬嫌そうな顔をしたね。


そんなに黒瀬がいいなら、そう言えばいいのに。



「とりあえず前髪を眉毛の少し下くらいまで。それから、後ろ髪は……ショートボブだな」


なんでそんなに詳しいのよ、あんたは。



「かしこまりました。こちらへどうぞ」



えっと、前言撤回する。


やっぱプロだよ、ここにいる人たち。


もう、対応とか、自分の仕事とかに集中してる。



あれかな。


黒瀬を一度見たら、女はみんな赤面する的な感じ。


私にはよくわからないことだけど。



「こちらに座ってください」



そして案内されたのはシャンプー台?みたいなとこ。


ここで髪を洗うんだね。



切る前に髪洗うなんて、知らなかった。



「熱かったら言ってくださいね」