サヨナラも言わずに


正直、あいつに髪切りに行けって言った手前、なんのプランもねーから、ホントに助かった。



「お役に立てて、なによりです」



ニコッと笑った大樹さん。



母さんはこの笑顔が好きなんだろうな。


あと、性格も穏やかだし。



母さんのブレーキにはなんねーけど。


まあ、プラマイゼロってとこか。



「弥生に邪魔されないように、頑張ってね」



おっしゃる通り。


あれに邪魔されるのが一番めんどくせぇ。



「そういえばさ、大樹さん、なんであのババアと結婚しようって思ったんだ?」


「え……えぇ!?」



……慌てすぎだろ。



「な、なんでって……弥生が好きだから……かなぁ……」



聞いたこっちが照れるからさ、照れながら言うなよ。



つーか、趣味悪すぎだろ。


あんなのが好きとか……



「あたしも好きだよ、大樹」



どっから出てきた、クソババア……!


いきなり出てきたら心臓に悪いだろーが!



「弥生、おかえり」