サヨナラも言わずに


「旭?」


「えっ……と、髪……そうだ、前髪切ってほしい」



……は?


コイツ、何言ってんの?


私に恥さらせっての?



そんなの、嫌なんだけど。



「安心しろ、お前は充分可愛いから。切ってみりゃわかるよ」



そんなこと、言われても……


それだけは……嫌だ……


でも……



「切って……みる……」


「マジ!?やった、チョー嬉しい!」



こんなに喜ばれるなら、いっか。


この復讐の大前提として、黒瀬を喜ばせないといけないからね。



「明日、美容院に行こーぜ!」



待って、テンションについてけないんだけど。


てか、勝手に私の休日の予定、決めないでよ。



なにもないから別にいいけどさ。



「じゃ、また明日な!十時に迎えにくっから!」



いつの間にか家に着いていたらしく、黒瀬はそう言って帰っていった。



ホント、弥生ちゃんの子供っていうかなんというか。


似てるよなぁ……



にしても、明日か……



行きたくないけど……


行かないと変だよね。