fairy3 空の物語 上

『ごめんね二人共、二人に出会えて良かったよ』

ナデシコは微笑んでそう言う。

『馬鹿なことはしないで!』

『僕がアクに殺されれば、君たちに危害は加わらないと思う』

『でも……、駄目だよ!』

シアンはナデシコに手を伸ばす。

『守るから!ナデシコも、ソレイユも私が守るから!!だから……』

シアンの頬に涙が伝る。

『それじゃ、駄目だよ』

『え……』

『シアンは、女の子なんだから』

ナデシコは、俺に目を向けた。

『シアンのこと、よろしくねソレイユ』

『ナデシコ……』

アクは、精霊剣を抜くとナデシコの体を貫いた。

『いやぁぁぁ!』

ナデシコの体から光が発せられる。

『泣かないで……。シアン……』

『ナデ……シコ』

シアンは顔を手のひらで覆うと、その場に座り込んでしまった。

『くそ!』

俺は、何も出来なかった。

ただ、目の前でナデシコを見殺しにしただけだった。

『僕……、シアンたちに会えて良かったよ……』

『待って!ナデシコ!』

ナデシコは、光の粒と化し空へと上がっていった。

『さてと、これで任務は終わりだけど……』

アクは、俺たちに目を向けた。

『君たちのことは、ここで殺すことにするよ』

『っ!』

俺はシアンの前に立つ。

『シアンに手を出すな!』

『だから、お前じゃ無理だってば』

俺は必死に思考を巡らせた。

どうすればここから逃げられる。

どうすれば シアンを守れる。

そう考えていた時、後ろの方で強い力を感じた。

『な、なんだ?!』

『ん?』

後ろを振り返った時、シアンの体が青い輝きを放っていた。

『し、シアン?』

シアンは、立ち上がると俺の前に立つ。

『ソレイユは、下がってて』

『だけど!』

『いいから!』

シアンの気迫に、俺は何も言えなくなった。