fairy3 空の物語 上

『なんで、アクがここに?』

ナデシコはシアンの後ろに隠れる。

『探したよナデシコ、さえこっちに来るんだ』

アクはナデシコに手を差し出す。

『ナデシコは、渡さないよ!』

『シアンか……。お前には用はない。用があるのは、ナデシコだけだ』

アクは俺たちに向かって歩いて来る。

『ナデシコ、俺たちから離れるなよ』

俺は鞘から刀を抜く。

『まだ子供の癖に、俺に勝てると思っているのか?』

アクに向かっていく俺だったが、アクに簡単に吹き飛ばされてしまった。

『うわぁ!』

『ソレイユ!』

木に叩きつけられた俺の体に激痛が走り、手から刀がこぼれ落ちる。

『お前が俺に勝てるわけがないだろ。勝てるとするなら、ナデシコかシアンくらいだ』

『わ、私?』

シアンは後ろにナデシコを守りながら後ずさる。

『あれ?もしかして、自分自身の存在のこと何も知らないのか?』

『どういうこと?』

『シアン!アクの言葉なんかに耳を貸すな!』

俺は、シアンにそう叫んだ。

『うるさいやつだな……』

アクは俺に手を向けた。

『ソレイユ!』

『ただの守護妖精候補だから、見逃してやろうと思ったけど、この先力をつけられたら厄介だな』

アクは黒い波動を俺に放つ。

しかし、俺の目の前に結界がはられ黒い波動を跳ね返す。

『ちっ……』

跳ね返された黒い波動は、アクの元に跳ね返ったがアクはそれを簡単に避ける。

『ナデシコ、ありがとう』

ナデシコは手を下ろすと、シアンの前に出る。

『ま、待ってナデシコ!どこに行くの?!』

シアンは、ナデシコの手を掴む。

しかし、ナデシコはそれを振り払った。

『ごめんね、シアン』

ナデシコは、それだけ言うとアクの元に向かう。

『待てよナデシコ!そっちに行くな!』

『僕がアクのところに行けば、シアンたちは殺されない』

『へぇ、頭の方は回るんだな』

『アクの狙いは、僕だけのはずだ』

ナデシコは、アクの目の前で両手を広げる。

『この二人には、手を出さないで』

『……それは、俺の気分次第だ』

『そっか……』

ナデシコは、俺たちに振り返る。