fairy3 空の物語 上

十年前――

愛斗たちが四歳のころ、俺たちは先代であった守護妖精たちによって、次の守護妖精候補として選ばれた。

小さかった俺は、守護妖精がどういうものなのか理解出来てなかった。

守護妖精というのは、神の力を与えられた妖精や、ヴィーナスみたいに特別な力を持った妖精と同じ力を持つ者のことだ。

また、泉を守る妖精だ。

先代の守護妖精たちはヴィーナスによって選ばれた。

ルル、ハヤテ、アカツキ、リン、コウヤ、カラ、クレオの七人が守護妖精に選ばれている。

俺は、アカツキに認められて守護妖精候補となった。

シアンは、ルルによって選ばれた。

だが守護妖精候補といっても、まだ守護妖精の力は引き継いでいない。

近々、守護妖精の引き継ぎの儀式が行われることになっていた。

その儀式が成功すれば、俺たちは正式な守護妖精となる。

俺たち守護妖精候補たちの最初の任務は、ナデシコの護衛だった。

ナデシコは、守の妖精としてキセキの泉の周りに結界をはれる力を持っていた。

キセキの泉に住む妖精たちにとっては、ナデシコの力は必要不可欠なものだった。

ナデシコは人見知りが激しく、いつも俺たちから距離をとっていた。

しかし、そんな距離をなくしたのがシアンだった。

『一緒に遊ばない?』

俺は、この時からシアンのことを凄い奴だと思っていた。

俺たちに出来ないことが簡単に出来たり、誰よりも力が強かった。

それに、何か惹かれる魅力をあいつは持っていた。

ナデシコはシアンの手を取った。

最初は抵抗があったものの、俺とシアンとナデシコはよく一緒に遊んだ。

かくれんぼしたり、鬼ごっこしたり毎日が楽しかった。

そんなある日、ナデシコが不安げに俺たちに質問してきた。

『ねぇ、ソレイユたちは守護妖精になっても僕の傍に居てくれるの?』

『急にどうしたの?ナデシコ』

『だって、守護妖精になったらシアン達と会えなくなると思って』

俺とシアンは、顔を見合わせた。

『そんなわけないだろ?逆に守護妖精じゃなかったら、ナデシコに会えないよ』

俺がそう言うと、ナデシコはホッとしたのか微笑んだ。

『ソレイユたちが守護妖精で良かったよ』

『ねぇ、ナデシコはずっとこの泉を守るために結界をはるの?』

シアンの言葉に、ナデシコは真っ直ぐ前を見つめた。