fairy3 空の物語 上

【ソレイユ】

『何故、このタイミングで出てきたんだ?』

『出てきちゃ駄目だった?』

『そうは言っていない。理由を聞きたいんだよ』

『理由?』

シアンは、首を傾げた。

俺はずっと聞きたかったことを口にした。

『なぜ、突然姿を消した……?』

俺は、シアンに問いかける。

『……』

シアンは話したくなさそうに見える。

だけどここで聞かなかったら、今後聞くタイミングがなくなる。

『話してくれよ、シアン』

『……』

シアンは俺から視線を逸らした。

『俺は、お前が居なくなったとき焦ったんだよ』

『どうして?』

『ナデシコに続いて、お前まで消えたと思ったからだ!』

俺はシアンの手を掴む。

そして掴んだ手に力を込める。

『ナデシコは、お前のせいで死んだわけじゃないだろ?』

俺の言葉を聞いたシアンは、手を振り払うと叫ぶ。

『私のせいだよ!』

シアンの声の大きさに俺は驚いた。

『シアン……』

『私のせいで、ナデシコは死んだんだよ!』

シアンの頬に涙が伝り、俺は目を見開く。

俺は、言葉が出てこなかった。

『私がソレイユの傍にいたら、ソレイユまで死んじゃうと思ったからだよ!』

『……俺の為かよ』

俺は拳に力を込めた。

『そうだよ……』

シアンは小さくそう呟いた。

だけど俺はその言葉に苛立った。

『俺が弱いとでも言いたいのかよ!』

つい思っていたことを口に出してしまった。

だけど言わずにはいられない。

俺は、結局十年前もシアンに助けられたんだから。