fairy3 空の物語 上

いやいや、そんなことより雪菜だよ!

でも、今のところ体は大丈夫そうに見えるけど。

「チッ……、帰ってきやがった」

ボソッと呟く愛羅に僕は視線を向ける。

「もう少し遅くて良かったのに、それか帰って来なくて良かったのに」

「おい……、聞こえてるんだけど」

「聞こえるように言ったんだよ。馬鹿なの?あ、馬鹿だったね」

こ、この!

ほらね!何故か僕に対してこの口調なんだ!

僕は、滅多な事がなければ怒らないようにしてるんだけど、最近は怒りの気持ちを抑えるのに必死だ。

なんで愛羅が僕にこんな態度をとるのかよく分からないけど、そろそろ僕の方が年上だってこと分からせないと!

『シアン……』

「ソレイユ?」

ソレイユの言葉に僕は気がついた。

雪菜の隣に一人の妖精が居ることに。

『さっきぶり、ソレイユ』

多分その子がシアンなのだろう。

そして、シアンの隣には頬に湿布を貼っているリズムがいた。

「どうしたの?リズム、その頬」

『あんたには、関係ないだろ』

このリズムも、僕に対して冷たい……。

やっぱり妖精も主に似るものなんだな……。

『シアン、ちょっと来い』

『うん……』

ソレイユはシアンと一緒に僕の部屋へと入った。

「雪菜、大丈夫なの?もう動いて」

「うん、大丈夫だよ」

「でも、なんで僕の家に?」

「昨日のこと聞こうとおも――」

「今俺と遊んでいるんだよ」

「愛羅君?!」

愛羅は僕の背中を押して、無理矢理部屋から僕を追い出す。

「だから、また後で来てよ」

「ちょ、愛羅!いい加減にしろ!僕は、雪菜と大事な話が――」

その時愛羅の表情が変わる。

「邪魔すんなよ、クソ兄貴」

「こ、この!」

愛羅を怒ろうとした時、愛羅は扉を閉めてしまった。

「あいつ……、雪菜の前だからって作りやがって……!」

正直なところ、愛羅だけには雪菜を渡したくない。

弟に好きな人とられてたまるか!

「はぁ……。着替えてから出直そ」

とりあえず一階に下りてリビングへと向かった。